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カテゴリ:ミステリー 読書感想

  • 竹本健治で眩暈感
    [ 2009-08-17 03:08 ]
  • 伊坂幸太郎『陽気なギャングの日常と襲撃』
    [ 2009-05-11 23:02 ]
  • 東野圭吾『探偵ガリレオ』
    [ 2009-03-31 01:05 ]
  • 西澤保彦『七回死んだ男』
    [ 2009-03-18 22:26 ]
  • コナン・ドイル『四つの署名』
    [ 2009-03-17 23:50 ]
  • 森博嗣『笑わない数学者』
    [ 2009-03-11 13:06 ]
  • 島田荘司『魔神の遊戯』
    [ 2009-03-09 11:26 ]
  • 藤原伊織『テロリストのパラソル』
    [ 2009-03-08 22:35 ]
  • エラリー・クイーン『ローマ帽子の謎』
    [ 2009-03-08 20:39 ]
  • 綾辻行人『どんどん橋、落ちた』
    [ 2009-03-08 14:15 ]

竹本健治で眩暈感

竹本健治という作家は俺にとって不気味な存在なんだよね。

というのも、ググれば何でも出てくる現在とは違って、
俺が竹本健治を知った当時は情報源も少なく、
彼の著作の全貌がつかめなかった。

そもそも「匣の中の失楽」をはじめ、当時は手に入らない作品が多かったしね。

匣の中の失楽 (講談社ノベルス)

でも、竹本健治というミステリ作家がどうも凄いらしい
という話は聞いていたので、色々想像していたわけだ。

で、後日ゲーム三部作と呼ばれる作品群を読んだわけですが、
「囲碁殺人事件」「将棋殺人事件」「トランプ殺人事件」と進むにつれて、
普通のミステリだったものがどんどん不気味な「何か」に変わっていく感じがした。

囲碁殺人事件 (創元推理文庫) 将棋殺人事件 (創元推理文庫) トランプ殺人事件 (創元推理文庫)

幻想を解体して現実を曝け出すのがミステリーなのに、
解体した後に残ったものはもっとおぞましいものだった、みたいな。

眩暈のする読書体験というものは本当にあるんだね。

竹本健治は、そういう本物の眩暈感を俺に与えてくれる稀有な作家。

でもそれは、俺を不安定にする事と同義なんだわ。

だから、竹本健治は怖くて不気味。

by motaturn | 2009-08-17 03:08 | ミステリー 読書感想

伊坂幸太郎『陽気なギャングの日常と襲撃』

伊坂幸太郎の『陽気なギャングの日常と襲撃』です。本作は『陽気なギャングが地球を回す』の続編となっています。
陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)
最初の章は雑誌に掲載された短編が元になったもので、あの4人のギャング達がそれぞれ事件に巻き込まれます。雑誌掲載時と違うのは、そこに巧妙に伏線などを散りばめて改訂し、後の章で起こる事件のプロローグとして位置づけたことです。私は雑誌掲載時の作品を読んでいないのですが、たしかに独立した短編としても楽しめますし、伏線もバリバリと張られています。この辺りは、伊坂幸太郎の地力を感じました。

それにしても、このシリーズは面白いですね。私は彼ら個性タップリな4人の活躍を読んでいるだけで幸せになれます。本当にいいキャラクターしています。

まあ、ミステリーではないですけど、天童真の『大誘拐』を読んだときのような気分になりました。オススメです。

by motaturn | 2009-05-11 23:02 | ミステリー 読書感想

東野圭吾『探偵ガリレオ』

東野圭吾の短編集『探偵ガリレオ』です。
この作品がドラマ化して大ヒットしたことから、一般人にも東野圭吾の名が知られるようになりました。東野圭吾の作品がやたらドラマ化されるようになったのも、この作品辺りからだったような気がします。

探偵ガリレオ (文春文庫)

湯川学や草薙俊平などのシリーズメンバーが出てくるわけですが、正直この作品ではキャラクターの印象が弱いです。まあ、それほどキャラクターを掘り下げて書いているわけではないからなんでしょうけどね。

そして、キャラクターの掘り下げがない分、作者が書きたかったであろう徹底した科学トリックが目立っています。専門家じゃないと想像できないような物理トリックが盛りだくさんで、フェアプレイ大好き本格原理主義者のわたしであっても、「こういうコンセプトの作品なのだからしょうがない」と納得してしまうほど、作者の拘りが伝わってきました。

たまにはこういう“こだわり”のミステリーを読むのも気分転換にいいですよ。



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by motaturn | 2009-03-31 01:05 | ミステリー 読書感想

西澤保彦『七回死んだ男』

西澤保彦の『七回死んだ男』です。個人的には、西澤保彦の最高傑作だと思っています。パズラーとしてはもっと評価の高い作品もありますけど、やはり西澤の真骨頂であるSF的設定の魅力という点では、この『七回死んだ男』がベストだと思います。

七回死んだ男 (講談社文庫)

あらすじ自体は一行ですみます。

同じ時間を七回繰り返すという体質をもった少年が、殺された祖父を助けようとする話。

簡潔です。

とはいえ、二次創作などではありふれた設定だとさえいえる『逆行物』ですが、これをまともに調理するのは至難の業です。それをミステリーに利用してこれだけの完成度にしてしまうだなんて、まさに職人芸ですよね。

なによりこの作品は、(恥ずかしいことに)最後の最後まで作者の仕掛けた罠にはまってしまいました。
それだけに評価が高くなっています。

実は大学に入学してから最初に読んだ作品です。




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by motaturn | 2009-03-18 22:26 | ミステリー 読書感想

コナン・ドイル『四つの署名』

コナン・ドイルの『四つの署名』を再読しました。もはや言うまでもないかもしれませんが、シャーロック・ホームズが活躍する第2長編です。傑作と評価するファンも多い作品ですね。

四つの署名 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

以前読んだのが相当昔なので、随分記憶と印象が異なっています。ホームズが意外と名誉欲のある人物に描かれていることなんか、特にそうです。もっとも、手柄を吹聴しない点に変わりはありません。要するに、節度のある人物として、しかも最低限の人間味を与えるために話の合間合間に「ささやかな自負心」のようなものを覗かせているわけですね。人間的魅力に溢れるキャラクターだと改めて見直しました。
そして、実にユーモアある人物だとも思います。「四つの署名」において、「この事件のすべては君によって解決した。僕はおかげで妻を得たのだし、ジョーンズは名声をわがものにする。いったい君のぶんはどこに残っているというのだ?」というワトソンの言葉に、「ぼくには、コカインの壜というものがある」と言って手を伸ばす。このシーンが絶妙です。シリーズ屈指の名場面だと個人的には思っています。たまりません。



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by motaturn | 2009-03-17 23:50 | ミステリー 読書感想

森博嗣『笑わない数学者』

森博嗣の『笑わない数学者』です。森博嗣の第3長編にあたります。

笑わない数学者―MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)


作者本人も言っている様に、この作品のトリックはすぐにわかります。
物体消失なんて方法は限られてきますからね。
特に巨大なものであればあるほど手段は限られてきます。
中には二階堂黎人の『ユリ迷宮』に収録されていた短編のトリックみたいな大技もありますけどね。
その意味では、密室トリックと一緒です。
消失現象や密室現象を起こしうる原因たりうる要素を虱潰しで当たれば、
たいていの場合、機械的に答えが出ますよ。
だからこそ私は森博嗣の『すべてがFになる』を高く評価しているのですが。

そんなわけで、この作品においてトリック自体はそれほど重要じゃありません。
ですが、それでも面白いのです。
それは動機が云々のせいでも、ちょっと哲学的な問答(と世間で言われているもの)のせいでもありません。
西乃園萌絵が出す仮説がことごとく真相からはずれて逆に真相が浮き彫りになってくるところとか、犀川先生のちょっとしたユーモアとか、そういう細部が面白いのです。
ミステリーらしい雰囲気を味わうにはうってつけの作品ですね。



by motaturn | 2009-03-11 13:06 | ミステリー 読書感想

島田荘司『魔神の遊戯』

島田荘司の『魔神の遊戯』です。日本を代表する名探偵御手洗潔の新世紀最初の事件です。

魔神の遊戯 (文春文庫)

事件のスケールが島田荘司らしく巨大でいいですね。
読書中に感じた違和感が、ことごとく伏線になってるのはさすがというしかありません。
読んでいてページをめくる手が止まりませんでした。やっぱり御手洗モノはこうでなければなりません。
間違いなく面白いです。

一部に「ん?」と思うところもありましたけど、それほど問題もないでしょうし、詳細に論じるとネタバレになるためスルーさせていただきます。
氷川透だったと思いますが、彼が言うように枚数制限でもあったのかと思わせるような性急な印象は否めませんでしたね。絶対加筆修正すべきです。その辺を上手くやれば、かなりいい作品だと思いますよ。
まあ、御手洗さんが出る長編は、ほとんど傑作しかありませんね。実際に面白いんだから仕方がありません。





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by motaturn | 2009-03-09 11:26 | ミステリー 読書感想

藤原伊織『テロリストのパラソル』

藤原伊織の『テロリストのパラソル』です。江戸川乱歩賞と直木賞を同時に受賞した史上初の作品となります。

テロリストのパラソル (講談社文庫)

この作品を読んだ頃は、ハードボイルドに分類される作品を1作品しか読んだことがなかったはずです。
記念すべき最初に読んだ作品がウィリアム・アイリッシュの『幻の女』でした。
こんな読み方をしていたら、ハードボイルドに悪印象を持ちようがありません。
その後、レイモンド・チャンドラーもダシール・ハメットもロバート・B・パーカーも読みましたけど、名作と呼ばれるものにはそれだけの理由がありますね。
本当にレベルが高く面白い作品だと思いました。
ミステリーとして勧めるわけではありませんが、エンターテイメント作品として一読を勧めます。




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by motaturn | 2009-03-08 22:35 | ミステリー 読書感想

エラリー・クイーン『ローマ帽子の謎』

エラリー・クイーンの『ローマ帽子の謎』です。私が尊敬するエラリー・クイーンの処女長編にして、国名シリーズ第一作です。

ローマ帽子の謎 (創元推理文庫 104-5)

取り立てて派手な推理があるわけでもなく、犯罪が不可解であるわけでもありません。
しかし論理的に謎を解きたい人ならば、読者への挑戦状が添えられた端正な本格ミステリーなので、満足できるでしょう。
私は致命的なミスを一つやってしまい、完全な真相に辿り着けませんでした。
こういうときほど悔しいことはありませんね。ほとんど推理通りなのにたった一つのミスで真相を見失うとは。
謎を解くことに執着がある人は、ぜひチャレンジしてみてください。

ちなみに、画像を貼りたかったのですが、見当たりませんでした。残念です。



by motaturn | 2009-03-08 20:39 | ミステリー 読書感想

綾辻行人『どんどん橋、落ちた』

綾辻行人の『どんどん橋、落ちた』。一応、連作短編集だと思います。
どんどん橋、落ちた (講談社文庫)
名目上はフーダニットなんだけど、これが捻りまくってるからなかなか難しい。
部分は推理できても、完全に当てることは至難の業です。
五問目は比較的容易かもしれません。私は簡単にわかったので。

個人的に秀逸だと思ったのは四問目です。これだけが他と一線を画しています。
この作品だけを独立して読むことも可能だから、ぜひ読むべきですね。
なにしろタイトルが『伊園家の崩壊』なのですから。
声に出して読めばわかるけど、この短編は戦後の日本でもっとも有名なあの家族(時間を超越した彼ら)がメインキャストです。
なぜかここ数年、時間の流れとは切り離されていたはずのあの町の時間が進み始めます。そして次々と起こる悲劇。
ユーモアの分かる人なら本当に面白いと思うはずです。これだけで読む価値がありますね。
綾辻行人の凄さを初めて感じた作品です。
(館シリーズは、時計館と迷路館以外はそれほど面白くないと思っているので。)






by motaturn | 2009-03-08 14:15 | ミステリー 読書感想

ミステリーマニアのネタ探し日記